伝わる衝撃
「知っていたか騰蛇。筆架叉は本来打撃に用いるものだということを」
じりじりと後退りする物の怪に向かって、勾陣はいっそ清々しいまでの笑顔を浮かべながらさらりとそう言い放った。
ついでに勾陣の得物は、通常のそれとは違い、敵を切り裂くために鋭く研がれている。
そんなもので殴られたら頭蓋骨が陥没するだけでは済まないだろう。
勾陣は筆架叉を腰帯から抜くと一振りした。きらりと刃が煌いた。
ぐぼふ、という鈍い音がどこからか聞こえた。
昌浩は反射的に、俺は何も聞こえなかった、と心の中で呟いて、文台に向かった。
苦手な作暦に挑戦するぞー、という、無意味なやる気が湧いてきた。さあ集中集中。余計な音は一切遮断。打倒狸。頑張ればいつか形になる。
がんばれもっくん、さよならもっくん。もっくんがいなくても、俺はちゃんとやってます。だから心配しないでね。安心して川の向こうに逝っていいよ。
突き抜けるような青い空を見上げ、昌浩は流してもいない涙をそっと狩衣の袖で拭った。
fin.
さて問題です。もっくん(紅蓮)は勾陣に何をしたのでしょうか
いち、無理矢理キスをしようとした
に、(略)押し倒そうとした
さん、勾陣が大事に取っておいた虎屋の羊羹を食べた
06.3.21.